【屋根の葺き替え・カバー工法の選び方ガイド】メリット・デメリットや費用相場を徹底解説

屋根のリフォームを考えているけど、「葺き替えとカバー工法どっちにしよう?」「費用はどれくらい違う?」「それぞれのデメリットも知っておきたい」など、迷っている方も多いのではないでしょうか。
実は、屋根の種類や状態によってはカバー工法が選択できないケースがあります。
そこでこの記事では、屋根の葺き替えとカバー工法の違いやメリット・デメリット、費用相場などをわかりやすくご紹介します。
選び方のポイントも解説しているので、どちらにしようか迷っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
屋根の葺き替え・カバー工法の費用相場
一般的な30坪戸建て住宅の場合、屋根の葺き替えとカバー工法の費用相場はそれぞれ以下のとおりです。
|
工法 |
費用目安 |
|
カバー工法 |
60万〜150万円 |
|
葺き替え |
100万〜260万円 |
施工会社や屋根の状態、新しい屋根材の種類によっても変動しますが、40万~110万円ほどの差があります。
屋根の葺き替えとカバー工法の違い
屋根カバー工法(重ね葺き)は、古い屋根材を撤去せず、上から新しい屋根材を重ねる方法です。
屋根材のみが劣化している場合には、カバー工法が有効なケースがあります。
一方、葺き替えとは、古い屋根材や防水シート、場合によっては下地材まで撤去し、すべてを新しいものに交換する全面改修工事です。
雨もりが発生しているなど下地まで劣化している可能性が高い場合には、カバー工法では対処できないため葺き替え工事を行います。
葺き替えとカバー工法の違いは、既存の屋根材を撤去して下地まで確認・補修ができるかどうかです。
カバー工法の方が工期が短く費用も抑えられますが、新しい屋根の下で古い屋根材や下地の劣化が進み続けることに注意が必要です。
屋根カバー工法のメリット

・工期が短い
・費用を抑えられる
・遮音性・断熱性がアップする
工期が短い
既存の屋根材の解体や撤去、下地の補修などを行わないため、葺き替え工事と比べて工期は短くなります。
葺き替え:1週間~10日程度
カバー工法:5日~1週間程度
また、工事期間中も普段と変わらない生活ができるので、ストレスも少ないでしょう。
費用を抑えられる
カバー工法の最大のメリットは、工事費用を安く抑えられることです。
古い屋根材の撤去・処分費用がかからず、工期も短縮できるため、トータルコストを大幅に削減できます。
アスベストを含む屋根材でも、撤去しないため追加の処分費用がかからない点もメリットです。
遮音性・断熱性がアップする
屋根が二重構造になることで、遮音性・断熱性の向上が期待できます。
特に金属屋根は雨音が気になることがありますが、既存の屋根材がクッションの役割をすることで、室内に音が伝わりにくくなります。
また、空気層が増えるため断熱効果が高まり、夏は涼しく冬は暖かい環境を保てることもメリットです。
冷暖房費の節約効果にも期待ができるでしょう。
屋根カバー工法のデメリット

・屋根材の選択肢が少ない
・下地の点検・補修ができない
・葺き替えよりも寿命が短い
・耐震性が低下する恐れがある
・将来のメンテナンスコストが高くなる
屋根材の選択肢が少ない
屋根が重くなりすぎると建物への負荷が増し、耐震性にも影響するため、選択肢は主に軽量な金属製の屋根材に限られます。
重量のある瓦やスレートなどは選べません。
また、屋根のデザインや凹凸、勾配などによっても、ご希望の屋根材を選べないケースがあります。
下地の点検・補修ができない
既存の屋根材を撤去しないため、野地板や垂木などの下地の状態を直接確認できません。
もし下地に腐食や損傷があっても発見できず、将来的に大きな問題に発展するリスクがあります。
雨もりが発生している場合や、下地の劣化が疑われる場合には、カバー工法を避けた方がよいでしょう。
また、施工後に下地の問題が発覚した場合、二重の屋根を撤去して補修する必要があり、結果的に高額な修繕費用がかかる可能性があります。
葺き替えよりも寿命が短い
カバー工法で施工した屋根の寿命は、葺き替えより5~10年ほど短い傾向があります。
既存の屋根材や防水シート、下地材の劣化が進み続けることが主な原因です。
メンテナンス頻度が高くなる可能性があることも考慮し、慎重に検討しましょう。
耐震性が低下する恐れがある
屋根の重量が増して建物の重心が高くなると、地震の際に揺れが大きくなる可能性があります。
特に築年数が古い住宅や、もともと重い屋根材を使用している建物では、耐震性が低下する恐れがあるため注意が必要です。
場合によっては、屋根の下地や建物の構造を補強する工事が必要になることもあります。
将来のメンテナンスコストが高くなる
カバー工法を行った屋根を次回リフォームする際には、二重になった屋根材をすべて撤去して葺き替える必要があります。
そのため解体・撤去・廃材処理費などが倍増し、工期が長くなることで人件費も高額になりがちです。
また、下地の劣化が進行している可能性が高く、大がかりな改修工事になることが予想されます。
今回のリフォーム費用を安く抑えられても、将来的に高額なメンテナンス費用がかかる可能性が高いでしょう。
あと何年住む予定かも考慮して判断することが重要です。
屋根を葺き替えるメリット

・屋根が完全に新しくなる
・耐震性を高められる
・屋根材の選択肢が多い
屋根が完全に新しくなる
葺き替え工事では、屋根材だけでなく防水シートや断熱材、野地板などの下地も補修・交換ができるため、屋根の性能が新築時と同等まで回復します。
防水シートの寿命は20年程度です。
屋根リフォームの際に交換しておくことで、雨もりのリスクを大幅に軽減できます。
完全リニューアルにより、今後20~30年は大規模な屋根のメンテナンスが必要ないでしょう。
耐震性を高められる
今よりも軽い屋根材を選ぶことで、耐震性を高めることもできます。
例えば、日本瓦から軽量なガルバリウム剛板に変更した場合、屋根の重さが10分の1程度まで軽くなり、地震時の建物への負担が大幅に軽減されます。
また、野地板の補強工事を同時に行うことで、屋根の強度を向上させることも可能です。
屋根材の選択肢が多い
カバー工法の場合は選択できる屋根材の種類が限られますが、葺き替え工事では比較的自由に選択できます。
また、太陽光パネルの設置を検討している場合にも、適した屋根材(ガルバリウム剛板など)への変更が可能です。
屋根材ごとの耐久性や価格は、以下の表を参考にしてみてください。
|
屋根材 |
耐用年数 |
単価 (㎡) |
|
日本瓦 |
50〜100年 |
9,000〜1万2,000円 |
|
セメント瓦 |
30〜40年 |
5,000〜8,000円 |
|
ガルバリウム |
25〜35年 |
6,000〜9,000円 |
|
スレート |
15〜25年 |
4,000〜8,000円 |
|
アスファルト |
15〜25年 |
6,000〜8,000円 |
|
トタン |
10〜20年 |
5,000〜6,000円 |
屋根を葺き替えるデメリット

・費用が高い
・工期が長い
費用が高い
古い屋根材を解体・撤去・処分する必要があるため、費用が高くなります。
また、2004年以前に製造されたスレート屋根にはアスベストが含まれている可能性があり、飛散防止対策や処分費用として20万~40万円程度の追加料金がかかります。
ただ、アスベストの処分費用は年々高くなっているため、先送りにすると将来的にはさらに高額な費用がかかる可能性が高いでしょう。
工期が長い
カバー工法よりも工程が多いため、工期が2~3日ほど長くなります。
また、作業が天候に左右されやすく、梅雨や台風シーズンにはさらに延びる可能性があります。
日常生活にも影響するため、できるだけ短くしたい場合は、春や秋など気候が安定している時期を選ぶとよいでしょう。
【選び方ガイド】葺き替えとカバー工法どっちが正解?
以下のような場合には、カバー工法が有効です。
・15~20年程度で住み替えを検討している
・今回のリフォーム費用を安く抑えたい
・雨もりや下地の劣化がない
一方、以下のような場合には葺き替え工事を検討した方がよいでしょう。
・築30年以上
・屋根の劣化がひどい
・雨もりしたことがある
・屋根材を自由に選びたい
・今の家に長く住み続けたい
・太陽光パネルの設置を検討している
・将来的なリフォーム費用を抑えたい
長く住む予定なら、基本的には葺き替えがおすすめです。
今回のリフォーム費用は高くなりますが、屋根の問題を根本から解決できるため、長期的に見れば経済的と言えるでしょう。
なお、以下のようなケースではカバー工法が使えないため、葺き替え工事を行うことになります。
・瓦屋根
表面が平らでない瓦屋根には、カバー工法の施工が困難です。また、瓦自体が重いため、さらに屋根材を重ねて重量が増すと地震の際に倒壊する恐れがあります。
・下地が劣化している
雨もりなどで防水シートや下地材が劣化している場合には、上から新しい屋根材を重ねても根本的な解決にはなりません。後に深刻なダメージへと発展する恐れがあるため、葺き替え工事による下地の補修・交換が必要です。
・屋根の勾配が緩すぎる
カバー工法では主に金属製の屋根材が使用されますが、一部の金属屋根は勾配が緩すぎる屋根に適さないことがあります。
・すでにカバー工法を施工済み
カバー工法ができるのは1度限りです。どれだけ軽い屋根材を使用しても、三重構造になると建物が重さに耐えられないためです。カバー工法済みの屋根のリフォームでは、既存の二重屋根を撤去して葺き替える必要があります。
まとめ|岡山市で屋根の葺き替え工事をするならベストホームへ!
今回は、屋根の葺き替えとカバー工法の違いや費用相場、選び方のポイントなどをご紹介しました。
カバー工法の方が費用は安く抑えられますが、長く住む予定であれば葺き替えをおすすめします。
葺き替え工事なら屋根の問題を根本から解決し、耐震性を高めることも可能です。
ただ、既存屋根の状態や屋根材の種類によっては選択肢が限られることもあるため、まずは点検を受けてみましょう。
ベストホームでは、屋根リフォームのプロが無料で点検を行い、お客さまのご自宅に最適なリフォーム方法をご提案いたします。
岡山市にお住まいの方は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
屋根葺き替えの対応エリア
岡山市中区・岡山市東区・岡山市北区・岡山市南区
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