【アパート外壁塗装の経費計上】修繕費と減価償却費の違いとは?節税効果や注意点も解説

アパート外壁塗装の費用は経費計上できますが、「修繕費」として一括計上するのか、減価償却を行うべきなのか、判断が難しいですよね。
会計処理の違いは節税効果にも影響します。
また、誤った処理を行うと税務署から指摘を受ける可能性もあるため、ご注意ください。
この記事では、アパート外壁塗装の経費計上についてわかりやすく解説します。
修繕費と減価償却費の違いや、節税効果についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
アパート外壁塗装の経費計上は修繕費?減価償却費?
アパート外壁塗装の費用は、工事の目的によって「修繕費」または「資本的支出(減価償却費)」として経費計上します。
修繕費に該当する場合は、塗装工事を行なった年に全額を一括で経費計上することが可能です。
一方、資本的支出に該当する場合は「資本的支出(減価償却費)」として経費計上し、複数年に分けて少しずつ減価償却を行います。
アパート外壁塗装が「修繕費」となるケース
「修繕費」に該当するのは、経年劣化や損傷によるダメージを補修し、元の水準まで回復させることを目的とした以下のような工事です。
・塗膜のはがれやひび割れ補修
・同じグレードの塗料を使用した外壁塗装
・雨もり防止のためのコーキング補修
・災害でダメージを受けた部分の補修 など
判断基準は「建物の価値や機能、デザイン性が向上していないかどうか」です。
塗膜のはがれやひび割れ補修
外壁の塗装は紫外線や雨風にさらされることで経年劣化し、はがれやひび割れが発生します。
このような劣化を修復する工事は「建物を元の状態に戻すための維持管理作業」であり、修繕費として処理するのが一般的です。
塗膜がはがれた部分の下地処理をしてから塗り直す作業や、ひび割れ部分をパテで埋める補修工事にかかる費用も、修繕費に該当します。
同じグレードの塗料を使用した外壁塗装
前回と同じグレードや、同等の性能をもつ塗料を使用した外壁塗装の費用は、修繕費として計上できます。
たとえば、新築時にシリコン塗料で塗装していた場合、今回も同じシリコン塗料を使用すれば「資産価値の向上」とは見なされません。
一方、前回ウレタン塗料で塗装したのに、今回はより耐久性・防汚性の高いフッ素塗料で塗り直す場合は、建物の機能性が向上するため資本的支出と判断される可能性が高いでしょう。
雨もり防止を目的としたコーキング補修
外壁のつぎ目(目地)や窓まわりに施工されているコーキングは、新築から10年程度で経年劣化し、ひび割れやはがれが発生します。
そこから雨水が侵入すると雨もりの原因になるため、定期的なメンテナンスが必要です。
コーキングの補修工事は、建物を雨から守るという本来の機能を回復させる作業なので、修繕費として計上できます。
災害でダメージを受けた部分の修復
地震や台風、豪雨などの自然災害によって外壁が損傷した場合、被害箇所を修復する工事は修繕費に該当します。
具体的には、以下のようなケースが挙げられます。
・台風で飛んできた看板で破損した外壁の補修
・地震による外壁のひび割れ補修
・豪雨で外壁に雨染みができた箇所の塗り直し など
これらは建物の機能向上ではなく、「災害による損傷を元の状態に戻す作業」と見なされるため、修繕費として一括計上が認められます。
アパート外壁塗装が「減価償却費(資本的支出)」となるケース
建物の価値や性能性の向上、外観を改善するための工事は、資本的支出に該当します。
・グレードの高い塗料を使用した外壁塗装
・機能性の高い塗料を使用した外壁塗装
・豪華で魅力的なデザインへの変更
グレードの高い塗料を使用した外壁塗装
たとえば、ウレタン塗料からシリコン塗料やフッ素塗料へ変更する場合には、資産的価値が向上したとみなされる可能性が高いでしょう。
塗料のグレードは、低い順に以下のようになっています。
|
塗料の種類 |
耐用年数 |
費用相場(㎡) |
|
アクリル |
約3~8年 |
1,000~1,800円 |
|
ウレタン |
約5~10年 |
1,500~2,500円 |
|
シリコン |
約7~15年 |
1,800~3,500円 |
|
フッ素 |
約12~15年 |
3,000~5,000円 |
|
無機 |
約15〜20年 |
4,500〜5,500円 |
機能性の高い塗料を使用した外壁塗装
遮熱塗料や低汚染塗料といった特殊な機能をもつ塗料を使用する場合は、資本的支出に該当する可能性が高いでしょう。
遮熱塗料には、太陽光を反射して室温の上昇を抑える働きがあります。
また、低汚染塗料を使用することで外壁に汚れが付着しにくく、雨で簡単に洗い流される効果が期待できます。
どちらも建物の性能向上につながるため、減価償却費として処理するのが一般的です。
豪華で魅力的なデザインへの変更
外壁の質感やデザインを大幅に変更し、建物の外観を豪華で魅力的にする工事は、資本的支出と判断される可能性が高いでしょう。
タイルや木目調パネルなどの異素材を組み合わせたり、意匠性の高い塗料を使用したりするケースが該当します。
一方、単色の外壁をツートンカラーにする場合は、大幅な機能性の向上には当たらないため、修繕費として計上できます。
アパート外壁塗装を「修繕費」と「減価償却費」に分割するケース
工事の目的が建物の「維持・管理」と「価値向上」の2つに分かれる場合は、修繕費と減価償却費に分けて経費計上しましょう。
例えば、破損か所の補修と外壁全体の遮熱塗装を同時に行った場合は、以下のように処理します。
破損か所の補修→修繕費
外壁全体の遮熱塗装→減価償却費
「修繕費」か「減価償却費」か判断できない場合は、税理士などの専門家へ相談しましょう。
【例外】資本的支出でも修繕費として一括計上できるケース
ここまで、建物の価値を向上させる工事は「資本的支出」として経費計上するとお伝えしてきました。
しかし以下のようなケースでは、本来は資本的支出に該当する工事内容でも、修繕費として一括計上できます。
・塗装費用が20万円未満の場合
・定期的に修理・改善をしている場合
塗装費用が20万円未満の場合
塗装費用が20万円未満の場合は、工事の目的や内容にかかわらず修繕費として処理することが可能です。
また、減価償却費と修繕費のどちらに該当するか明確でないケースでは、塗装費用が60万円未満または前期末におけるアパート取得価格の10%以下の場合にも、修繕費と認められる可能性があります。
定期的に修理・改善をしている場合
3年以内の周期で定期的に修理・改善をしている場合には、工事費用や目的にかかわらず全額を修繕費として計上できます。
アパート外壁塗装を「修繕費」で計上するメリット・デメリット

【メリット】
・税務処理の手間がかからない
・一時的に高い節税効果が得られる
税務処理の手間がかからない
修繕費として計上する最大のメリットは、税務処理が非常にシンプルなことです。
減価償却のように毎年の償却計算や耐用年数の管理をする必要がなく、工事を行なった年度の経費として一度で処理が完了します。
会計ソフトへの入力も簡単で、個人で確定申告を行うオーナー様にとっては大幅な手間の削減になるでしょう。
一時的に高い節税効果が得られる
修繕費として一括計上すると、工事を行なった年度の課税所得を大幅に減らせます。
特にその年の利益が非常に大きい場合には、節税効果が高いでしょう。
経費が増えることで課税所得が減り、所得税や住民税を削減できます。
【デメリット】
・融資審査で不利になる可能性がある
・大規模修繕の場合は赤字になる可能性がある
融資審査で不利になる可能性がある
修繕費として大きな額を一括計上すると、その年度の所得が極端に減少し、決算書の見栄えが悪くなります。
金融機関が融資審査を行う際には決算書の所得や利益を重視するため、所得が急減していると「経営状態が悪化している」「収益力が低い」と判断されるリスクがあります。
特に新たな融資を検討している場合や、今後物件の追加取得を考えている場合は、修繕費の一括計上が逆効果になる可能性があるため注意しましょう。
大規模修繕の場合は赤字になる可能性がある
アパート全体の大規模な外壁塗装などで費用が数百万円規模になる場合、一括で修繕費として計上すると、その年の収支が赤字になる可能性があります。
青色申告の場合は赤字を最大3年間くり越せますが、それを超えると結果的に節税効果を十分に活かしきれないことがあります。
白色申告の場合は繰越控除が利用できないため、さらに不利です。
トータルで見ると節税効果が減少することもあるのでご注意ください。
アパート外壁塗装を「減価償却費」で計上するメリット・デメリット
【メリット】
・融資を受けやすい
・長期的な節税効果が期待できる
融資を受けやすい
減価償却費として処理する最大のメリットは、金融機関からの融資を受けやすくなる点です。
減価償却は毎年一定額ずつ経費計上するため、決算書の利益が安定し、経営状態が良好であることを示せます。
金融機関は安定した収益力を重視するので、急激な所得変動がない方が融資審査に通りやすくなります。
長期的な節税効果が期待できる
減価償却費は複数年にわたって経費計上できるため、安定した節税効果を長く得られます。
赤字になるリスクも低く、確実に節税効果を享受できる点が大きなメリットです。
長期保有を前提としたアパート経営では、減価償却による安定的な節税戦略が効果的でしょう。
【デメリット】
・税務処理の手間がかかる
・即効性のある節税効果は期待できない
税務処理の手間がかかる
減価償却費として処理する場合、毎年の減価償却計算が必要になるため税務処理が複雑化します。
建物の構造別の耐用年数や償却率を把握し、毎年正確に計算して申告する必要があります。
特に会計処理に不慣れなオーナー様には、負担に感じられるかもしれません。
即効性のある節税効果は期待できない
減価償却費は長期間にわたって少しずつ経費計上するため、工事を実施した年度に大きな節税効果を得ることはできません。
その年に大きな利益が出ていても、経費として差し引ける額が少ないため、税負担を大幅に減らすことは難しいでしょう。
「修繕費」と「減価償却費」節税効果が高いのはどっち?注意点も解説

経営状態や収入によって異なるため一概には言えませんが、節税の即効性が高いのは「修繕費」として計上した場合です。
塗装工事を行なった年の利益から一気に経費として差し引けるため、支払う税金額が大幅に少なくなります。
会計処理を簡素化できることもメリットでしょう。
ただ、大規模修繕などで莫大な修繕費用がかかった場合、収入によっては一括で経費計上すると赤字になることがあります。
単年度で償却しきれなかった分は翌年に繰り越せず、トータルの節税効果が減ってしまうケースもあるためご注意ください。
※青色申告の場合は3年間で償却しきれなかった場合
経費計上した年の所得が極端に減ることで、銀行の融資審査の際に「経営状態が良くない」と判断される可能性もあります。
また、節税だけを意識して塗料や工事内容を決めてしまうと、建物の耐久性や資産価値を低下させる恐れがあります。
アパートの外観は入居率にも大きく影響するため、外壁塗装のプロにも相談してみましょう。
税金や経費の視点だけでなく、長期的な経営視点から判断することも大切です。
アパート外壁塗装の費用を減価償却する年数
塗装費用の減価償却にかかる年数は、建物の構造別に定められた耐用年数と同じです。
以下の表でご確認ください。
|
建物の構造 |
耐用年数 |
償却率 |
|
|
木造 |
22年 |
0.046 |
|
|
鉄骨鉄筋コンクリート 鉄筋コンクリート |
47年 |
0.022 |
|
|
レンガ造 |
38年 |
0.027 |
|
|
金属造 |
骨格材厚み |
34年 |
0.030 |
|
3〜4mm |
27年 |
0.038 |
|
|
3mm以下 |
19年 |
0.053 |
|
※2025年5月現在の情報です。最新版は国税庁のホームページでご確認ください。
1年間に減価償却できる金額は「塗装費用 × 償却率」で算出できます。
例えば、木造アパートの外壁塗装に300万円かかった場合、減価償却費は年13万8,000円です。
300万円 × 0.046 = 13万8,000円
13万8,000円を22年かけて減価償却していくことになります。
※中古で取得したアパートは償却率が異なります
アパート外壁塗装の費用を安く抑えるコツ

外壁塗装の費用は依頼する施工会社によって大きく異なるため、業者選びが重要です。
【業者選びのコツ】
・自社施工の会社を選ぶ
・相見積もりをとる
・塗装費用の相場を知っておく
・地元で長く営業している会社を選ぶ
・メンテナンスをまとめて行う
・塗料のグレードを調整する
・火災保険を利用する
・助成金や補助金を利用する
自社施工の会社を選ぶ
大手のリフォーム会社やハウスメーカーでは、外壁塗装を下請け会社へ外注しているケースが多く、10~30%程度の仲介手数料が上乗せされています。
一方、自社で職人を抱えている会社なら、仕上がりに直接影響しない余計な費用がかかりません。
足場職人や塗装職人が在籍しているかどうかは、ホームページのスタッフ紹介などで確認できるはずです。
相見積もりをとる
1社だけの見積もりでは提示された金額や工事内容が妥当か判断が難しいため、2~3社の見積もりをとって比較することをおすすめします。
見積書に工程や塗料の製品名、使用量、塗装面積などが細かく記載されているかどうかもチェックしておきましょう。
見積書は契約内容を証明する重要な書類です。
万が一「打ち合わせで伝えていたのに塗装されていない」などのトラブルが発生した際、見積書に詳細が記載されていなければ証明しようがありません。
「一式」が多く工事内容や単価がよくわからない場合は、詳細を確認するかその業者を避けた方が無難です。
塗装費用の相場を知っておく
適正価格で契約を結ぶには、塗装費用の相場を把握しておくことも大切です。
相場より極端に高い場合はもちろん、安すぎる場合にも警戒した方がよいでしょう。
高すぎる場合は、不当な利益や高額な仲介手数料が上乗せされている可能性があります。
一方、安すぎる場合は、手抜き工事や低品質な塗料の使用、追加請求などのリスクが考えられます。
アパート外壁塗装の費用相場は、以下の表を参考にしてみてください。
|
階数 |
費用目安 |
|
2階建て |
150万〜300万円 |
|
3階建て |
200万〜400万円 |
|
4階建て |
300万〜500万円 |
ただし、上記はあくまで目安です。
実際の料金は、外壁の状態や使用する塗料の種類、施工会社などによって変動する可能性があります。
地元で長く営業している会社を選ぶ
同じ地域で長年営業している会社は、信頼できる優良業者の可能性が高いでしょう。
一方で、悪質業者は悪い噂や口コミが広がりやすいため、同じ場所で長く営業を続けられません。
依頼する前に、ホームページなどで創業年や施工実績を確認してみるとよいでしょう。
また、地元の会社を選ぶことで、遠方からの出張旅費や交通費なども抑えられます。
メンテナンスをまとめて行う
外壁塗装が必要な時期には、屋根や外階段、ベランダなどの塗装も劣化している可能性が高いでしょう。
別々に塗装するとそのつど足場や養生などの費用がかかりますが、まとめて行えば1回分で済みます。
入居者への負担を最小限に抑えられる点もメリットです。
塗料のグレードを調整する
アパート塗装において塗料代は全体の約20%を占めており、使用する塗料のグレードによって大きく変動します。
アクリル塗料やウレタン塗料を使用すれば、今回の塗装費用を安く抑えられるでしょう。
|
塗料の種類 |
耐用年数 |
費用相場(㎡) |
|
アクリル |
約3~8年 |
1,000~1,800円 |
|
ウレタン |
約5~10年 |
1,500~2,500円 |
|
シリコン |
約7~15年 |
1,800~3,500円 |
|
フッ素 |
約12~15年 |
3,000~5,000円 |
|
無機 |
約15〜20年 |
4,500〜5,500円 |
ただ、高価格の塗料ほど耐久性も高い傾向があるため、塗り替えの回数を減らしてトータルのメンテナンス費用を節約できる可能性があります。
また、節税を意識しすぎて必要以上にグレードを下げると、防水性能が不十分となりアパートの資産価値が低下するリスクもあるのでご注意ください。
火災保険を利用する
台風や落雷、ひょうなどの自然災害が原因でアパートの外壁塗装が必要になった場合には、火災保険が使える可能性があります。
対象となる災害や工事内容、保険金額などは加入している保険によって異なるため、保険証券でご確認ください。
請求期限は被害発生から3年以内が一般的です。
ただ、時間が経つほど災害との因果関係を証明するのが難しくなるため、被害を受けたら速やかに保険会社へ連絡しましょう。
助成金や補助金を利用する
地域によっては、アパートの外壁塗装に補助金や助成金が支給される可能性があります。
対象となる工事や支給金額は自治体によって異なるため、役所の窓口やホームページで確認してみましょう。
申請期限は着工前までですが、予算が上限に達すると受付が終了することが多いため、早めに準備しておくことが大切です。
※残念ながら岡山市は対象外です
アパート外壁塗装が必要なタイミング
アパート外壁塗装のタイミングは、10~15年に1回程度が目安です。
ただし、劣化のスピードは立地環境や使用している塗料の種類、メンテナンス状況などによっても異なります。
特に海沿いの地域や日当たりのよい場所では、通常よりも早く塗膜が劣化する可能性が高いでしょう。
以下のような症状が出ている場合には、塗料の耐用年数内でも塗り替えが必要です。
・チョーキング(触ると手に白い粉がつく)現象が発生している
・コケや藻、カビが繁殖している
・塗膜にはがれやひび割れがある
・外壁にひびが入っている
・外壁に割れや欠け、はがれがある
・目地のコーキングにひび割れがある など
外壁材自体や下地が劣化している場合には、塗装ではなく張り替え工事が必要にこともあります。
劣化が進むほどより高額な補修費用がかかるため、最低でも10年に1回はプロの点検を受け、適切なタイミングでメンテナンスを行うことが大切です。
まとめ|岡山市でアパートの外壁塗装をするならベストホームへ
今回は、アパート外壁塗装の会計処理について、修繕費と減価償却費の違いや節税効果などをご紹介しました。
現状維持のための塗り替えなら「修繕費」、機能向上のためなら「減価償却費」として経費計上するのが一般的です。
迷ったら税務署や税理士に相談してみましょう。
ただし、節税効果だけを意識して塗料や工事内容を決めるのはおすすめできません。
長期的なメンテナンスコストの削減や入居率アップ、資産価値の維持なども考慮して選ぶことが大切です。
ベストホームでは、外壁塗装のプロが無料で点検を行い、最適なメンテナンス方法をご提案いたします。
岡山市でアパート経営をされているオーナー様は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
アパート塗装の対応エリア
岡山市中区・岡山市東区・岡山市北区・岡山市南区










